下関市立美術館特別展示〜山口の八幡信仰2016年02月07日 22時06分

今年の1月5日から2月21日開催の下関市立美術館特別展示「山口の八幡信仰〜八幡縁起絵の展開と創造」に行ってきました。

山口の八幡信仰

元来が情報受け身体質で、相方がリーフレットを新下関駅で発見するまでこの展覧会に全く気がつかなかったうえ、山口の一地方の八幡信仰か〜〜などと少々舐めてかかったところ、リーフレット内に「塵輪(じんりん)」の名を見つけて手のひらを返した次第です。

どちからかというと所蔵品展の「特集:いきもの〜動物・植物・虫をめぐる美術」の方がメインで、こちらのほうは山口の八幡信仰研究報告の体です。美術館の説明には「山口県内に伝わる室町時代から江戸時代の八幡縁起絵巻9点を、特別に展示します。」と明記されていました。

原本を時代ごとに模写、アレンジを加えて行った結果「こだわりの初期(室町時代)〜簡略化された中期〜画力が上がった後期(江戸時代)」となっていたのが観察できて楽しかったのですが、達筆の草書で書かれた文章がほぼ読めなくて残念でした(あまり上手でない文字の方が楷書気味でなんとか読めました)。この絵巻はそもそも一部分だけしか展示されておらず内容が大変気になるので、原文で構わないので全文を写植(フォント)で公開していただきたいものです。

この度の研究論文が収録された「研究紀要」が売店で販売されていたので購入しました。さきほどざっと目を通してみたのですが、この展示会に行くきっかけになった「塵輪」については殆ど触れられていません。縁起の内容で「塵輪という化物があらわれ、仲哀天皇応戦し流れ矢にて仲哀天皇は崩御する」と説明されている部分のみです。
塵輪は長門二ノ宮である忌宮神社の「鬼石」と「数方庭」に由緒のある新羅の武将と伝わる人物ですが(忌宮神社公式HP「境内案内」参照 http://iminomiya-jinjya.com/place)、八幡縁起絵巻で多頭の化物として現れているのは一体どういうことなのか大変気になります。くだんの論文を書かれた教授と学芸員各氏におかれましては、何卒塵輪についても言及していただきたくよろしくお願いします。

長府ひなまつり2016年02月07日 22時12分

わが町の事ながら全く知らなかったんですが、下関市長府で三年前くらいからひなまつりイベントを開催しているらしく、美術館に行ったついでに長府庭園(http://s-kanrikousha.com/teientop.html)と毛利邸(http://s-kanrikousha.com/mouriteitop.html)におひな様と吊るし飾りを見に行きました。長府庭園も毛利邸も四十数年この地に住んでいて初めて行きましたよ…余りにも身近だと案外行かないもんですねえ。

ひなまつりイベント自体は3月まであるようですが、吊るし飾りは今日までだったそうで、良いタイミングでした。

長府庭園梅


長府庭園
長府庭園

長府庭園蔵のひな飾り
上のひな飾りはこの蔵ギャラリーの中にあります。
長府庭園蔵

以下は書院内。ひな人形や下げ飾りはそれほど古いものではありませんが、やはり可愛いものは皆好きらしく、昨日も沢山人がやって来たとか(スタッフの女性がそういってらしたらしい:相方談)。
長府庭園書院ひな飾り

左方向の青い光は照明ではなく、外からの光です…写真の腕が酷いだけです。
長府庭園書院下げ飾り

おそらく初参りで使われたであろう小さい着物たち。
長府庭園下げ飾り2

長府庭園下げ飾り3

長府庭園廊下下げ飾り

こちらは長府観光会館のふぐ雛
長府観光会館ふぐひな

長府毛利邸
防府にも毛利邸があるので、念のため「長府」をつけます。
毛利邸

長府庭園の雛たちとおなじく、ひな人形も下げ飾りもごく最近の物だと思われますが、およそ自分の家には縁がなかったので大変雅な気分になります。

毛利邸ひな飾り

毛利邸下げ飾り

おそらく毛利家の姫君着用の打掛。
毛利邸うちかけ

毛利邸ひな人形

毛利邸ひな飾り

大内雛。実は現物を見るのは初めてだったりする…四十数年この地(以下略)
大内雛

他にもまだたくさん写真がありますが、とりあえずこのくらいで。

毛利邸の辺りには神功皇后の宮殿があったという話もあるので、何か面白い物が無いかと庭園を少し歩いてみたけれど、それをやるにはちょっと寒かったですね…もう少し暖かくなってからまた来ます。